目の前の崖、少し注意深く見てみましょう。表土の下に砂層その下に石ころ混じりのレキ層があるのがわかります。ここは今から約300~30万年前に海底や川底に堆積した大阪層群とよばれる地層の最下部です。 数100mもの厚さの大阪層群の一番底の部分が、大阪平野の地下を南北に走る上町断層とその延長線上にある仏念寺山断層を引き起こした大きな力により、断ち切られ、ねじ曲げられながら上昇し、その上に積み重なっていた地層が浸食を受け削り取られた結果、今私たちの前の崖として見えているのです。

 

 さて、このレキ層のレキには非常にち密で硬く、火打石として利用されていたチャートという岩石がふくまれています。これは数億年前の海洋底に堆積した放散虫という微生物の死骸が主成分で海洋プレートの動きによってもたらされ箕面の山をつくっている古生代~中生代の岩石の一つです。もしこのレキが左右対称の丸い形をしていたら海で堆積したものと言えますが、そうではなく大きさも形もまちまちでそろっていません。ここは海ではなく川で堆積したものと考えられます。